米軍普天間飛行場の名護市への移設問題で、代替施設建設に反対する住民や市民団体らが、移設先に隣接する同市辺野古で座り込み運動を始めて十九日で二年を迎えた。辺野古漁港近くのテントには、市民ら約二十人が集まり、二周年を記念するケーキでこれまでの運動を振り返り、互いの労をねぎらった。
「これまで市民投票とボーリング調査阻止の二度勝利した。新たな案も阻止して三度目も勝利したい」
メンバーは口々に意気込みを語った。
座り込みは、那覇防衛施設局が辺野古沖案のボーリング地質調査に向けた現地作業に着手した二〇〇四年四月十九日から始まった。
辺野古沖合案の断念、日米両政府のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設合意(昨年十月二十九日)、そして今月七日に政府と名護市はキャンプ・シュワブ沿岸部に滑走路を二本建設する案で合意した。移設計画案が次々と変容していく中、反対派住民らの「新基地はいらない」との思いは変わらず、粘り強い運動が続いている。
座り込みを続ける富田晋さん(21)は「政府が辺野古沖合案を断念したのは反対派の阻止行動の勝利だ。政府と名護市が合意した滑走路二本案も絶対に阻止したい」と意気込む。
平和市民連絡会の当山栄事務局長は「島袋吉和市長の公約違反は明らか。合意撤回へ署名活動を進めたい」と訴えた。 ◇ ◇ ◇
運動に密着 写真展入賞/名古屋市・浅見裕子さん
人間の日々の営みや国内外の今を表現する全国公募写真展「視点」(主催・日本リアリズム写真集団)三十一回展の審査がこのほど行われ、名護市辺野古で米軍普天間飛行場の移設に反対する住民を写した写真家浅見裕子さん(58)=名古屋市=の作品「美ら海を守る人々」が奨励賞に選ばれた。
浅見さんは二〇〇四年四月から翌年十一月まで辺野古に延べ百八十日滞在。基地の県内移設に反対する人々に密着し、写真集「沖縄 戦世 美ら海を守る」にまとめた。今回の写真展にはそのうちの十枚を出していた。
同展には全国から千六百四十二作品(三千六百一枚)の応募があり、浅見さんの作品は最高の視点賞に次ぐ評価を受けた。
浅見さんは「ひたむきな抵抗運動を最後まで記録したい。本土に沖縄の現実を伝える喜びが大きい」と話している。 |