日  誌
スケジュール
国会前の行動予定

●国会前集会(主催・全国連絡会)21(火)18〜19時 衆院第2議員会館前

●やめろ!教育基本法改悪 つぶせ!共謀罪 11・23ジョイント行(銀座デモ)
とき:11月23日(木、休日)午後1時半 
ところ:京橋プラザ区民館ホール
共催:都教委包囲首都圏ネットワーク(090-5415-9194)、
破防法・組対法に反対する共同行動(03-3207-1273)
※その他の行動は決まり次第お伝えします。

プロテスト
バンド
 
ヨッシー&ジュゴンの家
2006年11月G
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11月16日、教育基本法改悪 衆院強行採決、弾劾!!

国会前は5000人の怒りに包まれた。ビデオプレスTV


11月16日(木)
教育基本法改悪 衆院強行採決、弾劾!!
教育基本法改悪衆院強行採決、弾ッッッッッ劾ッッッッ!!
3・14法大弾圧を許さない法大生の会 のホームページから
2006年11月16日(Thu)
本会議開始からわずか30分で強行採決!
自民党と公明党の賛成討論のみです。
絶対に許すことはできない!
強行採決を許さず、参院で必ず廃案に追い込もう!
国会闘争速報 2006年11月17日 第24号
◎教育基本法改悪阻止! 共謀罪制定阻止! 全労働者の団結で戦争と改憲の安倍政権を倒そう!
 
kokkaitousou@yahoo.co.jp にアドレスを送ってください。連日、「国会闘争速報」をメールします。
 
 全国労組交流センターです。「国会闘争速報」を連日発行します。A4判のビラ形式のPDFファイルを添付しました。ご活用ください。《転送・転載歓迎》
 
■安倍の暴挙と腐敗に弾劾の嵐! 国会に5000人の怒り
 
 16日は朝から怒りの全国結集状態だ。ハンストには7名以上が決起し、そのまわりを250名が座り込んでいる。北教組も増員で闘った。全国連絡会の座り込みもにぎわっている。日教組、全教も座り込んで集会。全体で500名近い。誰もが前日の強行採決に対して怒り、暴走に歯止めをかけようと声をからしてアピールした。
 しかし安倍政権は13時から衆院本会議を開き、野党出席拒否の中、採決を強行した。その報を聞き、がく然とするもの、座りこんで頭を抱えるもの、号泣する人もいる。しかしそれはすぐに怒りに変わっていった。ハンスト者のSさんは「政治を誰のためにやっているのか。この恨みは必ず晴らす」と宣言。急きょ駆けつけた沖縄高教組は「強行突破は県民への侮辱だ。絶対に許せない」と発言。被処分者のNさんは「これが民主国家なのか。独裁者が勝手にやることはあたり前か」と弾劾した。
 人波が途切れることなく国会前におしよせた。歩道はすし詰め状態で17時から「ヒューマン・チェーン」が始まった。その数5000人。議員、市民運動家、教育労働者などが次々マイクを握って弾劾した。みんな黙って聞いているわけではない。怒りのあまり、国会に向かって叫ぶ人があちこちにいる。
 全国連絡会が引き続いて集会を開いた。集会後2000人で首相官邸前に移動しシュプレヒコールを叩きつけた。
 安倍の暴挙が満天下に暴かれた。怒りは渦巻いている。闘いはこれからだ。職場や地域から闘いを組織し、教基法改悪案を安倍政権もろとも粉砕しよう。
 
★★★★行動予定★★★★
●国会前集会(主催・全国連絡会)21(火)18〜19時 衆院第2議員会館前
●やめろ!教育基本法改悪 つぶせ!共謀罪 11・23ジョイント行(銀座デモ)
とき:11月23日(木、休日)午後1時半 ところ:京橋プラザ区民館ホール
共催:都教委包囲首都圏ネットワーク(090-5415-9194)、破防法・組対法に反対する共同行動(03-3207-1273)
※その他の行動は決まり次第お伝えします。
 
■国会前の発言 11月16日
 
●北教組・Sさん われわれの悔しい思いを、今度は参議院の段階で、意思を結集して闘っていかなければいけない。本質をまったく議論をしない教育基本法の改正、これを私たちは許すことはできない。
 北教組はただちに抗議の声明を、全道各地の組合員に発する準備をしています。11月25日には札幌で1万人集会を持ちます。参議院段階では絶対に通さないという意思統一を行うものです。また、日教組は、12月8日にも大集会を計画しているということです。皆さん、地域での取り組みももう一度強化していきましょう。
●神奈川県三浦半島教組・Yさん 彼らにとって、彼らがめざしている「戦争ができる国家」づくりにとって、まさに私たちが邪魔だから、私たち教職員組合を最後的に排除するためにやってきているんだ、教基法改悪はそういう攻撃の性格を持っているんだということを確認し、怒りをもってこれを粉砕していこう。
 衆議院が通ったぐらいで、日和っていてはいけない。われわれの周りにもっともっと声をかけ、そして動こうとしない既成の組合指導部がいたらそれを突き上げ、圧倒的な力で登場していく必要がある。それができるのは、われわれ現場の労働組合員だけです。
●「日の丸・君が代」不当処分撤回・被処分者の会・Kさん 今の国会の状況、彼らのやり口こそ、「美しい国」どころか、本当に汚いじゃありませんか。いじめをなくすと言いながら、この東京においては、教職員を大量に処分している。彼らこそいじめている張本人じゃないですか。
 19日には、沖縄で県知事選挙が行われます。教育基本法改悪反対を正面から掲げている糸数慶子さんを、なんとしても当選させましょう。知人がいる人はぜひ、電話をすぐにかけて、沖縄県知事選の勝利を出発点にして、教育基本法の改悪法案を廃案に追い込んでいきましょう。
 
■沖教組と沖高教組が声明
 
 沖教組と沖縄高教組は15日、特別委での採決強行に先立ち、緊急声明を発表しました。
 記者会見で沖教組の大浜敏夫委員長は、「改正案には『愛国心』や『公共の精神』が盛り込まれる。先の大戦で苦い経験をした沖縄が許してはならない」と強調。高教組の松田寛委員長も、沖縄戦での鉄血勤皇隊編成の際に生徒の名簿を行政が軍に渡した事例をあげ、「行政が教育に関与することの恐ろしさを沖縄は体験した」と提起。ともに「一から議論をやり直すべきだ」「参院段階での運動を強化しよう」と訴えました。(沖縄タイムス)
 
■安倍が強行採決を指示 「任期中に改憲をやりたい」と
 
 政府・与党は、15日の特別委採決の直前まで、教基法改悪への高まる怒りの声に追いつめられてぐらぐらになっていました。それを衆院採決強行に突っ走らせたのは、安倍首相のじきじきの指示だったと報道されています。
 安倍首相はなぜ、ここまで教基法改悪に執念を燃やすのか。一つは、憲法9条を変えて戦争に突き進もうとしているからです。
 このかん安倍は海外のメディアに「自分の任期中に改憲を目指したい」と繰り返し発言しています。「自民党総裁の任期は1期3年、そして2期までしか務められない。この期間に(改憲を)政治スケジュールに載せたい」(14日、米紙ワシントン・ポストのインタビューに答えて)が本音です。その手始めが、現憲法とセットで制定された(準憲法と言われた)教育基本法の改悪なのです。
 いま一つは、若者を戦場に駆り立てるためには日教組が邪魔だ、労働組合をつぶさなければ戦争の道に進めないと思っているからです。教基法改悪の直接の狙いは、この日教組つぶし(それに始まる労働組合つぶし)です。共謀罪導入の狙いも同じ。最後は戦争に公然と反対する者が誰もいなくなることが望みなのです。
 だが、強行採決は、私たち労働者の怒りに火をつけた。「日教組壊滅」を叫ぶ森・中川や安倍に、闘う日教組の再生をたたきつけよう。参院で必ず廃案にし、安倍政権を倒すまで闘おう。
 
「国会闘争速報」 発行:全国労組交流センター
 東京都台東区元浅草2-4-10 五宝堂・伊藤ビル5F TEL 03-3845-7461 FAX  03-3845-7463
教基法改正案が衆院通過 与党の賛成多数で可決 共同通信 11.16 13:45
 衆院は16日午後の本会議で、政府と与党が今国会の最重要法案と位置付けている教育基本法改正案の採決を行い、自民、公明の与党などの賛成多数で可決した。民主、共産、社民、国民新の野党4党は、与党が15日の衆院教育基本法特別委員会で野党欠席のまま改正案を単独採決したことに反発し、本会議採決も欠席した。

 同改正案は参院に送付され、与党は12月15日までの会期内成立に全力を挙げる。参院でも特別委を設置し審議促進を図る方針で、今国会成立の可能性が強まっているが、野党は成立阻止に向け対決姿勢を強めていることから、予断を許さない状況が続きそうだ。

 教基法改正案は、前文と18条からなり、1947年の法制定以来、約60年ぶりに全面改定した。前文で「公共の精神を尊び」と明記したほか、教育の目標として「我が国と郷土を愛する態度を養う」ことなどを掲げ、「愛国心」重視の姿勢をにじませた。また新たに「生涯学習の理念」「家庭教育」などの条項も盛り込んでいる。

 参院審議でも、教育現場での「愛国心」をめぐる評価の在り方などが焦点になりそうだ。さらに、相次ぐいじめ自殺を踏まえた国と地方自治体の役割についても十分な議論が求められるが、野党の審議復帰の見通しは立っていない。政府は前通常国会に同改正案を提出したが、継続審議となっていた。
 衆院での改正案審議が100時間を超え、これ以上審議が長引くと会期延長が不可避となるため与党は15日、特別委で採決に踏み切った。これに対し、野党は政府の教育改革タウンミーティングにおける「やらせ質問」、高校の必修科目未履修問題などを受け審議継続を求めていた。
国会闘争速報 2006年11月16日 第23号
◎教育基本法改悪阻止! 共謀罪制定阻止! 全労働者の団結で戦争と改憲の安倍政権を倒そう!
 
kokkaitousou@yahoo.co.jp にアドレスを送ってください。連日、「国会闘争速報」をメールします。 
 
■1千人で強行採決を弾劾  闘えば勝てる! 廃案まで徹底的にやり抜こう
 「たった今、教基法特別委で与党が採決を強行した!」
 「ウォー、ふざけるな!」。議員面会所から飛び出てきた千葉高教組のWさんが報告すると、詰めかけていた300人の身体に衝撃が走った。15日午後5時15分、うなり声がわきあがり、それが怒号に変わった。ハンスト者を先頭に衆院議員面会所に押し寄せ、抗議のシュプレヒコールを繰り返した。

 ニュースを聞きつけた人々が続々と国会前に詰めかけてきた。6時からの全国連絡会の集会は、国会前としては最大結集で、最終的には千人を超えた。呼びかけ人の小森陽一さんは「やらせなどの不正腐敗が暴露されたから審議をうち切って強行採決した。追いつめられた故だ」と弾劾した。広島からは原爆ドーム前で緊急の座り込みに入ったと報告された。

 「子どもや現場教職員の悩みを聞くことなく、採決強行した暴挙を断じて許せない」(北教組)「くじけてはならない。われわれにはまだまだ展望がある」(被処分者の会Kさん)。

 集会終了間際にかけつけた被処分者の会のFさんは「こんなに腹が立ったのははじめてです」と、息を切らして文字どおり渾身のシュプレヒコール。千人の怒りの声が首相官邸前で響きわたった。

 この日は正午過ぎにはすでに500人が国会前を埋める状態だった。北教組は50名が緊急上京した。ほかにも仙台や関西など各地から結集していた。

 7名のハンスト団は全体を牽引して渾身のアピールを発し続けた。「今日で私はハンスト13日目。ここで死んでも構わない決意で闘う」(元教員Sさん)。傍聴中の被処分者Hさんが報告に抜け出してきた。「与党だけで審議している。やらせの解明もない。とんでもない状態」と怒った。各地で闘ってきた多くの人が「採決させてたまるか」と発言した。

 採決が取り返しのつかない愚挙であったことを思い知らせてやらねばならない。教基法改悪阻止へ徹底的にやりぬこう。
 
 国会前の行動予定
●リレーハンスト&国会前座り込み
 16〜17日 9時〜18時
●全国連絡会の国会前座り込み
 16日〜17日 9時〜17時
●ヒューマン・チェーン
 16日 17時〜
●国会前集会(主催・全国連絡会)
 16日 18時〜19時
 21日(火)18時〜19時
※いずれも衆議院第2議員会館前付近
 
■国会前の発言 11月15日
北教組 特別委員会の自民筆頭理事、町村のいる北海道から来ました。町村は、委員会でずっと眠り続けていたのに、「100時間の審議をした」と言って強行採決を行った。子どもたちの悲痛な訴え、現場教職員の悩みを聞くことなく強行した暴挙を、断じて許せない。いじめの原因である差別・選別の教育を進めてきた政府・自民党が、教育基本法改悪を強行採決した。しかし私たちはあきらめてはいません。北教組も50人が来ています。明日から3日間、断固として闘いぬきます。
千葉高教組Tさん 11・12集会には120人が参加しました。学校は差別を教えるところではなく、仲間とともに一緒に学び、育ち、仲間を信頼していく心を育てていくところのはずです。今この国は、差別と戦争と人を殺すことが平気な国になっている。末期症状です。子どもたちを自殺に追い込む国でいいのか。私たち教職員が教育基本法の改悪を絶対阻止しようと、職場で呼びかけています。絶対にとめることはできる。
●「日の丸・君が代」被処分者の会・Kさん 不当な強行採決に抗議して、今国会前にいることに誇りを持とう。私たちの闘いが、これまで何度にもわたって政府・与党の採決予定を打ち砕いてきた。強行採決は、彼らが追いつめられている証拠です。11月19日、沖縄県知事選で教基法改悪反対を掲げた候補者を当選させ、政府・与党に痛打をあびせよう。その勢いで改悪法案を廃案に追い込もう。職場では毎日、苦しい仕事が待っているが、教基法が改悪されれば、もっと苦しくなっていく。私たちがここでとめなくて、誰がとめるのか。粉砕するまで、ともに闘おう。
全国連絡会呼びかけ人・三宅晶子さん 強行採決は、安倍内閣のファシズムへの第一歩です。ドイツの首相が昨年、アウシュビッツの生き残りの方々を前に行った演説を、きょうのゼミで読みました。「自由と人間の尊厳と正義が国家権力によって踏みにじられた時に何が起こったかを、われわれが忘れてしまうならば、自由と人間の尊厳と正義はもはや存在しないのだ」。安倍首相はこのことを忘れているわけではない。覚えているからこそ、今国会で権力を握って、自由、人間の尊厳、正義を踏みにじろうとしている。闘いは第2ステージに入った。もっともっと大きな力で改悪をとめよう。
動労千葉・関執行委員 私たちは11月5日、「労働者の団結で安倍改憲政権を倒そう」と掲げた労働者集会を4900人の参加で成功させ、100名で訪韓しました。被処分者を先頭に教育労働者も多く参加してくれました。動労千葉は教育基本法改悪阻止、憲法改悪阻止へ断固闘いぬきます。
 
広島で弾劾の座り込み
 強行採決の報に広島県教組の有志20人が原爆ドーム前で緊急に座り込んだ
 
教育再生会議が7項目の指針審議への影響恐れ、公表せず
 官邸主導の「教育改革」のため安倍首相が設置した教育再生会議が、7項目の指針を決定しました。しかし、公表すれば教育労働者の怒りをかい、教基法改悪の国会審議に影響を与えるというので「非公表」としています。

 7項目の筆頭は「教育ガバナンスの確立」です。これは「コーポレイト・ガバナンス(企業統治)」という企業経営の論理と手法を教育の場に全面導入するものです。公教育を解体して、むきだしの競争原理、差別・選別、二極化構造の中に学校をたたき込むものです。

 また「指導力不足教員への厳格な対応」とともに「良い教師への激励」を掲げています。戦争教育推進の校長が出す職務命令に全教員が無条件で従う体制をつくるため、徹底したムチとアメで臨もうということです。

 教基法改悪の次には、教員免許更新制導入で日教組を解体した上に、9条改憲へ進もうというのが安倍政権の描くプランです。これは、20年前に当時の中曽根首相が、国鉄分割・民営化で国労と総評を解体した上に「戦争のできる国」をつくると宣言したのと同じやり方です。

 しかし、動労千葉はストライキで闘って組合の団結を守り、中曽根の改憲攻撃を粉砕しました。同様に今、闘わない日教組本部をのりこえて、現場組合員の手で日教組を下から再生して闘うならば、安倍の全攻撃を粉砕できます。今週衆院通過を絶対に阻もう!
 
「国会闘争速報」 発行:全国労組交流センター
東京都台東区元浅草2-4-10 五宝堂・伊藤ビル5F TEL 03-3845-7461 FAX  03-3845-7463
 
教育基本法改正案を単独採決 衆院特別委  朝日新聞 2006年11月15日21時03分

 安倍政権がこの臨時国会の最重要法案と位置づける教育基本法改正案が15日夕、衆院の同法特別委員会で自民、公明両党などの賛成で可決された。民主、共産、社民、国民新の野党4党は「審議は尽くされていない」として採決を欠席、国会の全審議を拒否する方針を確認した。与党は16日の衆院本会議で可決し、参院に送付する構え。ただ、会期末まで1カ月しかなく、成立には1週間程度の会期延長が不可避だとの見方が与党内で強まっている。

 衆院特別委は15日午後、野党欠席の中で安倍首相が出席して締めくくりの総括質疑を開始。1時間の質疑後、野党の出席を待ったが野党は応じず、同日夕に与党単独で採決した。首相は官邸で記者団に対し「教育の再生は私の内閣で最も重要な課題だ。その課題に向かってしっかりと政策を作っていくために改正は重要だ」と語った。

 与党内には、採決を強行した場合に19日投開票の沖縄県知事選に影響するとの考えから、来週に先送りすべきだとの声もあった。だが、(1)審議時間が105時間に達した(2)野党が要求した公聴会やいじめ問題などの集中審議、参考人質疑などをすべて行った(3)採決を先送りしても、野党が円満に採決に応じる可能性は薄い――などの理由で採決を決断した。

 河野洋平議長は単独採決について「円満ではなかったが運営に瑕疵(かし)があったとは思わない」との見解を示した。これを受け、与党は野党が欠席しても16日の衆院本会議で可決する方針。17日には参院本会議で教育基本法特別委員会設置を議決し、法案の趣旨説明や質疑を行う方向だ。

 一方、野党4党は15日夕、国会内で幹事長・書記局長らが会談し、あらかじめ予定されている参考人質疑以外、すべての審議を拒否することを決めた。参院での特別委設置や審議入りに強く抵抗することは確実だ。

 慣例的に参院の審議時間は衆院の7、8割は必要とされ、順調に審議入りしても12月15日の会期末までに成立させることはぎりぎりの日程となっている。こうした状況を踏まえ、自民党の参院国対幹部は15日、「参院は不正常な状態から始まる。少なくとも1週間の延長は必要だ」と会期延長を検討する考えを示した。

 教育基本法改正案は今年4月に政府が国会提出し、先の通常国会で継続審議となった。現行法にはない「公共の精神」や「国を愛する態度」などを教育の目標に盛り込んでいる。「教育の憲法」とされる同法案が成立すれば、学習指導要領の根拠となる学校教育法など多くの関連法の改正が予定されている。

語り歌ノートvol.17 2006.11.12     館野公
---もくじ---
■ライブお知らせ
 語り歌の継承 vol.23 谷保・かけこみ亭 12月2日(土)
■「語り歌の継承 22」レポート by さくらさん
■教育基本法をめぐるタウンミーティングの怪
■訃報 宇井純さん逝く
■CD、ぽちっと売れてます
■本とか映画とか
 『朽ちていった命』『赤い鯨と白い蛇』
■2006年下半期の映画をひとことで
■今月の歌『原っぱは川のそば』
-------------
 気がつくと天気図は西高東低、等圧線が狭く垂直に並んだ気圧配置。もう冬が来ています。垣根ではサザンカが咲き、取り壊された家の跡にはキバナコスモスがゆれています。みなさん、いかがお過ごしですか? この語り歌ノートはライブのお知らせを中心に、不定期でお送りしています。
++++++++++++++++ライブお知らせ++++++++++++++++++
【語り歌の継承 vol.23 館野公一】

◆12月2日(土)谷保・かけこみ亭(042-574-3602)ゲスト:やなぎ 
シリーズ・語り歌の継承、今回は岩手からやなぎさんを迎えています。まもなく2006年もお仕舞い、あなたにとって今年はどんな年でしたか? やなぎさんの渋〜い歌で、まだバタバタする前の師走
の夜のひと時を楽しんでください。

7:00pm〜 1500円 電話・メール予約、この通信出力ご持参で1300円
★ライブ中はタバコは外でお願いします★
http://www.asahi-net.or.jp/~yi7k-ttn/kakekomi/

やなぎさんサイト↓
http://homepage2.nifty.com/m-yanagi/BLUES.htm

+++++++++++ライブレポ by さくらさん++++++++++++
前回、9月2日の「語り歌の継承 22」を大阪から来たさくらさんが自分のサイトでレポしてくれました。カンチさんと一緒の楽しい雰囲気が伝わってくるレポです。見てね。
http://sakurasaku.web.infoseek.co.jp/kanchi/kakekomi.htm

++++教育基本法をめぐるタウンミーティングの怪+++++
 国家百年の計、教育基本法が改正されようとしていた矢先、小泉政権の売り物だったタウンミーティングがかなりいい加減な運営だったことが露出してきました。事の起こりは青森県八戸市、会場の
質問者が、内閣府から依頼された内容の質問をしていたことがわかったことでした。たくさん手を上げた一般参加者はなかなか指名されず、会場発言の10人中6人が「仕込み」の参加者だったのです。(どこの席に座るかも決まっていたそうです)それどころか、応募した一般の参加者は186人、残り279人は教育委員会、学校関係者、PTA関係者が動員されていました。「ハガキで応募しても5人に1人しか入れなかった」実情はこういうことだったのですね。動員した関係者で席を埋め、文科省の作成した質問案に沿った質問を依頼していた。これがヤラセでなくてなんでしょう。

 聞けば、小泉首相就任以来のタウンミーティングは174回、開催費用は平均1100万円…。耳を疑う数字ですね。イベントをやったことがある人ならわかりますが、大都市で2000人規模の会場を土日全日借りても相場は100万円です。楽屋、PA設備を借り切って、どんなに高くたって200万円かからない。八戸で400人規模だったら10〜20万円がいいところでしょう。いったいどこにそんなお金がかかったのだろうと思ってましたが、この発言で疑問氷解です。公務員の休日出勤の人件費だったのでしょう。2万円×279人、2000円の弁当でもつければ、それで620万円。お車代も出てたかもしれません。残りの350万円?東京からわざわざ行った役人スタッフの航空券、ホテル代、飲み食いで150万、残りは広告代理店のマージンじゃないでしょうか。

 これは憶測かもしれませんが、そう思われても仕方がないことを、この政府はやっているのです。こうやって「国民の皆さんの声は十二分に聞きました」といって、15〜16日の衆議院教育基本法特別委員会では、教育基本法改正の採決が、恐らくは強行採決でなされようとしています。みなさんはどうお考えですか。え?法案の中味と、タウンミーティングの運営は関係ない? ぼくは、「一事が万事」というのはこういう時のために使うコトバだと思います。

この問題で、最もアップトゥデイトなブログは保坂展人さんの「どこどこ日記」でしょう↓ご注目を。
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/

++++++++++++++++宇井純さん、逝く+++++++++++++++++
 公害問題は学者や行政が語るのではなく、当の被害者が語るべきだ。そういってそれを実践をしたのが宇井純さんでした。東大で公開講座「公害原論」を開き、水俣から、四日市から、公害に苦しむ人々が教室の演壇に立って切々と被害を訴えたのです。その「講義」を聞きに来た市民は15年間で述べ2万人を越えました。

 ぼくが18歳の時、宇井さんの講演を聞きました。その時、最後に語ったのは、こんな話でした。

「ひとりの人間が企業や地域社会の中でがんばり続けることは難しいし、それは誰にでもできることではない。でも、一生のうちに自分が良かれと思える選択をひとつだけでいいからしてほしい。あな
たが選ぶことで自然を守ったり、人々を苦しめたりしないで済む、あなた自身にそんな機会がきっとあるはずだ。その時には一回だけでいいから、良かれという選択をしてほしい。みんながそうできれ
ば、この社会はきっと変わるはずだ」

 今思うと、このコトバが、ぼくのそれから後の行き方を決めたように思います。11/11未明、宇井純さんが74歳でなくなりました。宇井さん、本当にお疲れさまでした。

+++++++++++CD、ぽちっと売れてます!++++++++++++
■『語り歌の継承 vol.1』
 DU/見えない光の矢/豚のごはん〜富士見が丘ストーリー
 全4曲 44'12" CD-R 1000円

4月にまとめたCD、おかげさまでぽつぽつと売れて、主催者発表では(笑)60枚突破しました。内容は劣化ウラン弾の「DU」、臨界事故の「見えない光の矢」に、京都の「喫茶のん」での楽しいライブ録音で「豚のごはん〜富士見が丘ストーリー」の4曲です。送料は200円です。

++++++++++++++++本とか、映画とか++++++++++++++++
■朽ちていった生命 NHK東海村臨界事故取材班 新潮文庫 438円

 99年、東海村でおきた臨界事故で被曝した作業員の大内さんが亡くなるまでの83日を、関係者のインタビューでまとめたもの。強線量の被曝とはこういうものかと、自分でもある程度知ったつもりで
いた頭をガツンと殴られたような気持ちがした。一般人の許容線量のなんと2万倍の中性子線を被曝した大内さんは、事故直後しばらくは意識もハッキリしてして、ナースさんも「大変な事故と聞いた
けど退院できる」と思っていたという。ところが彼の染色体は至近距離で浴びた中性子線で「ズタズタに」切り裂かれてしまった。皮膚を作るDNAが壊れて再生されなくなり、次第に内臓も、血液もそ
の機能を失っていく。考えられる最先端の医療資材を使い、また未認可の薬剤を外国から取り寄せたけれど、大内さんは救えなかった。 日頃、原発問題などで放射線被曝の危険性を口にし、知識としては知っていたつもりだったものの、その本当の怖さと凄まじさを、まざまざと感じた。

 ぼくも「見えない光の矢」という歌にしているこの事件だけれど、この本を前にして言葉を失ってしまった。(「見えない光の矢」は2006.2.24配信の語り歌ノートvol.14に載っています)

■赤い鯨と白い蛇 せんぼんよしこ

 黎明期から良質なテレビドラマを作り続けてきたせんぼんよしこ初の映画作品。役者は香川京子、浅田美代子、宮地真緒、坂野真理、樹木希林と各世代の女優たち。

 千倉に住む息子と同居するために内房線の特急に乗る祖母・保江(香)と孫・明美(宮地)、乗換駅の館山に若いころ疎開した家があるから寄って見たいと祖母が言い出す。館山駅からタクシーで2人は海岸沿いに洲崎に向かうが、この辺りはぼく(館野)が20代のころに時々潜りに行ったりした所なのでなんとも懐かしい。房総の海岸線や沖の方に遠く光る海が美しい。

 たどり着いた巨大な茅葺の民家には母・光子(浅田)と子・里香(板野)がいた。来月にはこの家を取り壊すらしい。夜になってやはり以前この家に住んでいた美土里(樹木)もやってくる。まるで家が取り壊される前に、呼び集めたかのように過去の住人が一同にそろう。

 この家の夫は失踪して3年たつ、美土里は商売も火の車で顧客からは矢のような金返せメールが届く。明美はどうやら妊娠したようだが知らせを受けて飛んできた恋人からは冷たいコトバを浴びせられたらしい。祖母はこのごろ記憶がおぼつかなくなってきたことを気に病んでいる。みんな様々な問題を抱えているし傷ついている。

 そんな中、祖母が屋敷を守る150歳の白蛇と会ったことがあるという話を始めた。その蛇に「自分を大切にしなさい」とコトバをかけられたという。タイトルにある「赤い鯨」とは館山沖を出撃していく潜水艦が夕日に映える姿のことだった。戦争末期に特攻していく若い少尉と若き日の祖母は短い言葉と思いを交わし、すぐ別れなければならなかった。白蛇から告げられたという「自分に正直に」というコトバは、実はその少尉の別れのコトバだったのだ。

 男性はほとんど台詞がないくらいの役だけ、これは女優たちの映画だ。5人は、年齢も性格も過去も違うけれど、どこか共通しているように感じてしまう。それは劇中で描かれる妊娠や初潮といった女性にしか経験できないことだけでなく、ちょっとした会話とか何気ないしぐさの中に、きっと女性の間でしかわかちあえないことがたくさんたくさん、この映画の中にちりばめられているからなのかもしれない(ぼくには想像するしかないのだけれど)。

 5人の女性たちは、この映画の中で、5枚のカードになって、そのカードがシャッフルされるように、5人がお互いの全ての時代で、お互いの全ての人生を生きているように思えた。登場する5人の女
性は、誰の中にも存在している人格なのかもしれない。 また、舞台となる築200年を越える古民家も重要な役者だ。次々と住む人が通り過ぎていく様子を見守り続けた家、そしてそこに住んだ女性たちと家とはとても自由な関係があったように見える。この家もまちがいなく「女性」とぼくには見えた。

 11月25日から岩波ホールで封切。2007年、全国でも公開予定。
http://www.asproject.jp/index.html

+++++++++2006年下半期の映画をひとことで++++++++++
7月以降の気になった映画の覚書。DVD鑑賞の時に思い出して。ラストの6本はまだスクリーンで見られます。

◆カーズ/ジョン・ラセター ピクサーの3Dアニメ、魅力全開。早く走ることが全てじゃないって、やっと気がついたよ。
◆太陽/アレクサンドル・ソクーロフ イッセー尾形の“人”を離れた演技。天皇と周囲のディスコミュニケーションの絶望を描く。
◆時をかける少女/細田守 時間を越える力があっても、過去をやり直すことはできない。でも、もう一度やってみるしかないじゃん。
◆ディア、平壌/ヤン・ヨンヒ 価値観の違う父と娘。パーソナルドキュメンタリーが映した2人の関係性が描く日本と北朝鮮の現実。
◆ゆれる/西川美和 この世で確かな物って何?はっきりわかる物って何?考え抜かれた演出と役者陣の演技に活目。映画賞は独占か。
◆グエムル〜漢江の怪物/ボン・ジュノ 空前絶後、完全無欠の怪獣映画。韓国民衆の闘争の歴史も背景としてよく描かれている。
◆トランスアメリカ/ダンカン・タッカー 東海岸から西海岸へ、男から女へトランスしていく主人公と共に歩いて見つけたものは。
◆蟻の兵隊/池谷薫 軍命で敗戦後も大陸に残って、国家に謀られた老兵士の孤独な戦い。真実を追う執念の記録。
◆紀子の食卓/園子温 ここにいる自分をどうやって確かめる?自らの存在の不確かさに気付き、目眩みを体験する映画。Best1。
◆シュガー&スパイス〜風味絶佳/中江功 なぜ、ぼくのことを捨てていくの?柳楽優也の慟哭が心に残る。眼力(めぢから)も健在。
◆ゲド戦記/宮崎吾郎 美しい画面に引き込まれながら、なんで評判が悪いのか考えた。「ゲド戦記」じゃなければよかったのにね。
◆キンキーブーツ/ジュリアン・ジャロルド 傾いた靴工場をニッチ市場で再建。物を作る姿の美しさ、大事さを思い出した。
◆明日へのチケット/ケン・ローチ 自分の思想や行動を問われる場面は日常にこそある。人々の乗った列車は世界の縮図だった。
◆トンマッコルへようこそ/バク・クアンヒョン 朝鮮戦争は今も終わっていない。此岸から無思慮に眺めていた自分の愚を知った。
◆フラガール/李相日 抜き差しならない状況だから選んだフラ。その踊る姿の美しいこと、喜びにあふれた表情に泣いた笑った。
◆紙屋悦子の青春/黒木和雄 戦闘シーンはひとつもないが、誰もが戦争を戦っている。そして、たくさんのものを失っていくのだ。
◆エンロン/アレックス・ギブニー 民営化と規制緩和を進めた果てに社会がどうなっていくか、それがよくわかるドキュメンタリー。
◆虹の女神/熊澤尚人 8ミリ映画の経験のある人必見。暑苦しい映研の部室で過ごした宝物のような思い出と後から気づく大切な人。

+++++++++++++++++++【今月の歌】++++++++++++++++++
■『原っぱは川のそば』

 思い出すよ 原っぱは川のそば 子どもたちの叫び声
 缶けり 宝探し 草野球 原っぱは川のそば

大きなケヤキの木陰では 座り込んでるおばあちゃん
二匹の犬がじゃれては走り ボールをくわえりゃホームラン

 思い出すよ 原っぱは川のそば 子どもたちの叫び声
 缶けり 宝探し 草野球 原っぱは川のそば

大きなトラックやってきて 原っぱに杭を打ち込んだ
立てられた看板には赤い文字 ここで遊んではいけません

 思い出すよ 原っぱは川のそば 子どもたちの叫び声
 缶けり 宝探し 草野球 原っぱは川のそば

二年目の秋、原っぱに出来たのは 大きな大きなスタジアム
胸に造花をつけたハゲ頭 得意顔でテープを切った

 思い出すよ 原っぱは川のそば 子どもたちの叫び声
 缶けり 宝探し 草野球 原っぱは川のそば

大人になったぼくたちが 歩くのはコンクリートアスファルト
草むら 砂埃 秘密基地 いつの間にやら姿を消した

 思い出すよ 原っぱは川のそば 子どもたちの叫び声
 缶けり 宝探し 草野球 原っぱは川のそば


 長野五輪のずっと前のこと、長野に歌いに行く時、信越線の列車
に乗っていたら、小諸の辺りから千曲川の河原が見えてきました。
車窓から見え隠れする河原の景色に、降りてきたイメージを、持っ
ていたノートに一気に書いた歌です。歌の中味は、子どものころに
遊んだ千葉の八千代台の線路向うの広っぱが景色としてあるのです
が、千曲川の河原が触媒になってくれてできた歌だと思います。横
川駅で買うおぎのや(峠の釜飯の製造元)の玄米弁当が手ごろな値
段で美味しかったことも思い出します。


 いつも長いメールを読んでくれてありがとうございます。このメ
ールは複数の方にお送りしています。不要の方はお知らせください。
今回は宇井さんの訃報で、一部の方にメールが重複したことをお詫
びします。それでは、ライブでお待ちしています。

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語り歌ノート vol.17 発行 館野公一 qfh01525@nifty.com

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